Argha
滝を通じて故人を想う、水と光に彩られた滝の納骨堂
「アルガ」はサンスクリット語で「水」を意味します。滝の流れる独創的な空間で、遺族が故人と心静かに向き合える場所として設計されました。
屋上ガーデンから流れ落ちる滝は、参拝室と納骨室、すなわちこの世とあの世をつなぐ象徴であり、時の流れを感じさせます。伝統的な手吹き技法のステンドグラスが、光の滝のように空間を藍色に染め、クオーツアート(ガラスの墓石)が故人の光の象徴として祀られます。さらに、光の花「プリズムフラワー」が空間に彩りを加え、静寂な中に華やかさを感じさせます。
建築は立体彫刻のような造形とし、敷地と周辺の環境に調和するようにデザインされ、本堂・納骨堂、寺務所、待合所の3棟で構成されています。本堂は3階に配置され、屋上ガーデンの緑が、訪れる人々に自然とやすらぎを感じる空間を提供します。
私たちは、納骨堂を単なるお骨を納める場所ではなく、故人が安らぎ、遺族が癒される「故人のための住まい」と考えています。
納骨室は自然光が入り、木調のやわらかな部屋としてデザインされました。参拝室は、アーティストの松尾高弘によるガラスの墓石とSTARオリジナルデザインの参拝台、パリのノートルダム寺院でも使われるランバーツ社のステンドグラス、そして十和田石による滝によって、水と光そして滝音まで五感で参拝者が癒される空間となりました。私たちがこれまでのホテルや旅館の設計で培った「安らぎ」と「癒し」の経験を活かし、より深い祈りの空間を実現しました。
さらに、初めての試みとして参拝空間のモデルルームとVRを作成し完成の前に参拝空間を体験できる取り組みを行いました。アルガというネーミング、ロゴの作成、HP等媒体の監修を通じブランディングおよびブランド戦略のサポートを行いました。
現代日本では、都市化や核家族化が進み、供養の習慣が希薄化し、家族や地域との絆が薄れつつあります。そうした社会課題の解決として、円満院蕨分院納骨堂「Argha」では、滝の流れや光の効果により、墓参りを「義務」ではなく、訪れるたびに癒しを感じ、故人とのつながりを深めたいと思える、日常から離れ、優しく華やかに故人との時間を過ごせる空間で私たちなりの答えを導きました。
私たちはこの納骨堂を通じて、失われつつある供養の大切さを見直し、家族や地域との絆を取り戻すことに貢献したいと考えています。
サービス内容:納骨堂企画/建築設計監理/インテリアデザイン/参拝空間デザイン/家具デザイン/照明デザイン/庭園デザイン/サイン・プロダクトデザイン/ネーミング/ブランド戦略
建築 : teamSTAR®︎
Team:
Creative Director, Architect: 佐竹永太郎 / STAR
Senior Architect: 山田慎一郎 / Yamada Studio
Main Architect: 中村憲治 / depth
FFE & Graphic Designer: 奥原香菜 / STAR
Assistant Architect: 范駿東 / STAR・南雲雄大 / STAR
Support Architect: 中尾雄介 / Nakaodesign
構造設計 : 坂田涼太郎構造設計事務所
設備設計 : NoMaDoS
照明デザイン : Plus y
サインデザイン:clip
ランドスケープデザイン:丹部一隆 / mesh
クオーツアート:松尾高弘 / LUCENT
施工: 松井建設
石材コーディネート(十和田石・滝ヶ原石):高橋 良至 / Studio Lai
ガーデン納骨堂石製作:花国技建
参拝台製作:Nareu
ステンドグラス:Lamberts(Germany)・ミツヤアーキテクチュアルグラススタジオ
- Title:
- Argha アルガ
- 用途:
- 寺院・納骨堂
- 構造及び階数:
- 合計3棟(本堂・納骨堂 / 地上3階、寺務所 / 地上2階、待合 / 地上1階)RC造一部鉄骨造、杭基礎
- 規模:
- 敷地面積880.00m2
延床面積合計894.94m2
- 所在地:
- 埼玉県蕨市
- 期間:
- 設計 2022.04〜2023.06
施工 2023.06〜2024.09 - Media:
- Argha 円満院蕨分院納骨堂公式HP https://www.argha.net