team STAR
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team STARとは?

「クライアントの課題を「美しさ」で解決し、「ありがとう」を創造する」がSTARの使命です。
「ありがとう」をもたらす優れた価値を設計するためには、優れた組織を設計する必要があると考えた
CEOの佐竹永太郎は、会社や事務所という枠を超えて優れたメンバーが集まるチーム、
「team STAR」 というスタイルを創造し、プロジェクトに取り組んでいます。
「クライアントをSTARに!メンバーをSTARに!」をスローガンとする佐竹と共にチームメンバーとして
多くのプロジェクトを率いるシニア・アソシエイトと佐竹とのディスカッションを通じて、
日本の建築家がこれからむかう一つのゴールである「team STAR」とは
どのような組織なのかをお伝えできたらと思います。

今回集まっていただいた山田(慎一郎)さん、佐々木(沙由理)さん、奥原(弘倫)さんは、自分がこの「team STAR」で全幅の信頼を置いている、この人たちなくしてはチームが成り立たないという大切な人たちです。

いつもだったら集まると図面を見ながら話してるから、図面がないとちょっと違和感が……(笑)。

自分はよく「team STAR」をサッカー日本代表のようなものと例えて説明しています。おのおの所属チームで活躍している優れたプレイヤーが、ワールドカップの際に代表として招集されて、自らの個性と能力を発揮し、メンバーと共に気持ちをひとつにして優勝目指してがんばる、みたいな。

その例えでいくと、確かに建築デザインの世界にもフルの日本代表やユースがあって、それぞれが自分のチームでも、代表でも活躍できるというふうになればいいですね。チーム制って自らのスター性を発揮できるシステムじゃないかな。ひょっとしたらどこかで才能を発揮できずにいる人が活躍の機会を得られるということもあるだろうし。

私はもともとインテリアデザイナーとして商業施設デザインの会社に勤めていました。規模は20〜30坪、大きくても60坪程度の、なおかつ「服飾」か「ショールーム」という経験を十何年続けましたが、「果たしてこれ以外、これ以上の案件が私のところに来るのだろうか」という頭打ち感がぬぐえなくて、当時の会社を辞めました。
そこから「やったことのないものも、やれるようになりたい」とおもい一念発起、努力を重ねてきました。そうしているとありがたいことに大手建築設計事務所からの案件を担当することができました。そこでは「インテリアデザイナーが頭になって、建築設計者がそれを盛り立てていく」というこれまで経験したことがなかったチームワークと論理的に結論まで持っていくというプロセスを経験することができました。その経験を、「team STAR」で実践できたらいいなと感じています。

面白いですね。建築出身の人とインテリア出身の人では考え方が大きく異なりますよね。インテリアからのデザインアプローチは「パースからプランへ」ですし、建築からのアプローチは「プランからパースへ」と、両者で全く逆のアプローチでプロジェクトにリーチしますね。同じゴールにリーチするための異なるアプローチ。その過程で、見落としていたポイントを発見し、「そうか!」と思うこともままありますね。

私は商業施設、百貨店などを何十年と手がけてきたけれど、結果商業ばかりやっている人たちとしか付き合いがなくなっちゃいました。そこに物足りなさを感じていました。
それともうひとつは組織の力。要するにチームには一人では決してできない規模やスピード感、プレゼンテーションのすごさを実現できるという魅力があります。「team STAR」というやり方は自分の現状を打破するひとつの方法であると感じ、日本や韓国、中国の百貨店のプロジェクトで一緒にデザインをしてきた佐竹さんから相談を受けた際、メンバーとして参画することに決めました。

社会が複雑化し、建築空間が解決しなければならない課題も複雑化している現在、チームという枠組みには、クライアントだけでなく僕ら建築家が仕事をしていくうえでの課題を解決していくという効果もあると思います。佐竹さんほど、ここまではっきりと「クライアントの課題解決が使命である」と言い切る建築家はいない。そこに共感しました。あとは同時に業界の後進教育に貢献できることも魅力ですね。我々建築家の課題解決と教育への貢献という両輪を走らせていく。それが「team STAR」だと思うわけです。

おっしゃるとおりですね。「team STAR」での活躍を通じ、皆さんの名前が世の中に伝わっていく。建築やデザインを志している学生や、業界でがんばっている若手にとってのあこがれのような存在に、チームメンバーには、建築家の世界での「本田」や「長友」になってほしいと願っています。
そう、最近久しぶりにオーシャンズ11みたのですが、クセのあるスペシャリストが一緒になって難攻不落のシステムに挑む。というのも近いかも。

誰がジョージ・クルーニーなのか、誰がブラッド・ピットなのか気になるなぁ……(笑)。

自分がチームというやり方を考えるようになったきっかけは、たくさんの理不尽なほど個性的で魅力的なクライアントに出会い、いろんな経験をさせてもらったからだとおもいます。「誰のため」だけでなく「誰とやるか」で結果が全く変わってくる。肩書でなく「人」が大切だとその経験を通じて強く感じました。
そこからクライアントだけでなく、作り手側の建築家も「STAR」になってもらえる仕組みをデザインしたいと考えました。大きな設計会社に所属していようと、小さなアトリエ事務所に所属していようと、個人で起業していてもいい、STARに所属していてもいい、メンバーである優れた建築家にフォーカスが当たり、「team STARのAさんと仕事をしたい」「team STARのAさんのようになりたい」といわれる組織がいいなと。

それと人にフォーカスしたいと感じた理由は、自分自身が組織に頼らないリスクある人生を選んできたからというのもあるかとおもいます。組織や状況に言い訳せず、すべての責任は自分に帰する。という矜持でプロジェクトに取り組むことができれば、空間を作ることの楽しさをもっと実感できる建築家やインテリアデザイナーが増えると思っています。そして、今の社会はそうした人を求めています。

僕らは「モノを作る人」というよりは、「こういうものがいいですよ、あなたにふさわしいですよ」と提供することが職能の見せ所ではないかと思うんです。だから「チームをデザインする(=プロジェクトの人選をする)」っていうのは、お客様から「ありがとう」と言ってもらうゴールを目指すための本当の意味での最初の仕事ということですね。

そのとおりですね!
そういえば、大学での卒業論文のテーマが「建築家の職能に関する一考察」でした。

へええ~~~!!!

テーマを選んだ理由は、「建築家がよくわからなかった」から。
だから「建築家とは何ぞや」っていうテーマは、卒業してからもなんとなく問題意識としてずっともってきました。今の山田さんの話のとおり、建築家の職能って「モノのデザイン」だけではなく、目指すゴールを達成するために最適な「組織のデザインをする」という段階にまで来ているんじゃないかな。

商業施設においては、空間が先でそれに商売を当て込むのではなく、こんな商売をやるためにこういう空間をつくりたいというアプローチで、私は仕事に取り組んできました。
方法として「コト」からの発想で空間をつくるといことは今までもありました。ただその場合は、企画は企画、設計は設計で「別々のところ」から集まってやるのが普通で職能は別れていました。
「team STAR」は、売れる空間デザインを実現するために、企画と設計がひとつのまとまりで実践できる集団です。これは確かに今までにはなかった画期的なものです。私はそこに非常に魅力と可能性を感じています。

もちろん、チームだったとしてもプロジェクトが事業である以上はリスクもある。「勝敗」の責任は僕が監督として取ります。

おー!監督なんですね!

んー、監督兼マネージャーか、その他雑用係か…なんでもやりますよ。チームだから空いているピースを埋めていかないと物事が成り立たないし。
監督と別の言い方をすれば指揮者かな。ずっと指揮者ってなんで存在しているかわからなかった。楽器は演奏せず、お客さんにお尻むけて棒を振っている。いらないんじゃないかなとおもっていた。ところが数年前にある指揮者が演奏する第九を聴いたとき、彼の指先に音が乗っているのが見えた。彼の踊るような動きにあわせて音が楽しく踊っている。音楽になっていました。本当にびっくりしました。そのとき、はじめて指揮者の意味そして必要性が腑に落ちた。そして、指揮者って楽しい職業かもっておもいました。

私は同じ演奏聴いてもわからないだろうな(笑)。

どんなに優秀なプレイヤーでも、プレイだけでは音の集まりであり、それをオーガナイズして音楽としてお客さんに届けないと価値に転換しないので。そこの仕事を指揮者が担っている。そう理解したのです。そういう意味でいうと、同じ役割はチームだと「監督」。「監督」によって提供する価値が左右されるなのかなって。

指揮者だったらプレイしないじゃないですか。もしも監督だったら……その辺はどういうスタンスなんですか?

チームとしては佐竹監督がいるけれど、どこかのタイミングで役割が変わったりするわけですよ。それはチームとしての面白さで、どこかでぐるぐる回っている。時には選手のプレイが不満でコーチングボックスから出て、フィールドでボール蹴りだしたり。

ははははは……!!

でも監督が出てきてフィールドに12人もいるから、誰か「じゃあ、出ようかな」といってフィールドを一時出る人がいる。そんなふうな。

すごい、よくわかる(苦笑)。

これはルール上はアウト、でもやっちゃいけないことではない。僕らが目指しているのはクライアントが「ありがとう」と言ってくれるゴールだから。試合の途中で、そのうち監督が自ら点を取りに行って、誰かがパスを流して、そして今までサッカーやってたのに、最後に……

「トライ!」(笑)

それでもクライアントが「ありがとう、トライしてくれて」って言ってくれることあるじゃないですか。あるときはホームランを打って「ありがとう」、かもしれないし。だけどそれを僕らのなかで役割を変えながら分担するっていうか。目的が決まったらどういうチームを組んでもいいし、その手段は自由なんです。

クライアントの課題を美しさで解決するためには、肩書きは必要ないと思っています。足りないものは必要に応じて補えばいいので、監督という肩書きが要るわけじゃない。
自分は美しいものをつくりたい。美しさとは見た目だけでなく本質的なものです。美しさを実現するためには、魅力ある多彩なプレイヤーがメンバーとして必要で、そのなかで必要とされるピースを自分のタスクとしてこれからも担当していきます。

建築やデザインという職業柄、なかには自分の名前を前面にだすことにこだわる人もいますよね。

要するに、自分の名前が売れるという点でプラスに働かないことを嫌がる人もいる、ということですよね。

自分は「team STAR」に「あそこに頼めば間違いない。」って思ってもらえるような信頼感、安心感を提供する責任があると考えています。それこそがチームのブランド力です。それを提供できている姿を積み上げていくことで、結果的にチームの仲間になりたいと思ってくれる人が増えていくでしょう。
チームのレベルと称賛は車の両輪です。レベルが上がれば上がるほど、メンバーが手にする称賛も高くなりますが、同時に求められる要望も高くなっていきます。

クライアントの課題を美しさで解決するという仕事は、ビスポークテーラーに似ています。クライアントを引き立てるための服を仕立てるような仕事です。あくまでもクライアントを引き立てるという目的を達成するために活動するのであり、自らを目的としていません。結果が全てです。
名前をだすことに「売名行為」みたいなニュアンスがにじみ出てくる人は、見えている世界が「俺が、俺が」という感じで、要するに主語が「I」ということかもしれません。主語が「I」の人は、結局はクライアントに対してもそうですからね。僕らのように、善意と信頼、共感を基盤とするチームは、主語が「We」の人でないと成立しないと思います。

僕らは「team STAR」として活動していれば、周りからははじめ「team STARって何?」と思われるだろうけれど、結果を積み上げ、実績をつくり、チームスタイルの意義というものをわかってもらえるようになれば、「あそこはチームでやっているから、普段はおのおの活躍している人たちが集まっているんだよね」と、認識してもらえるようになるはずです。

現状のチームで「もっとこうしたい」とか、課題ありますか?

もっとミーティングの時間を増やしてほしいです!

すごい、具体的な(笑)。

みんなが同じ宿題をもらって、おのおのそれに取り組んだ提案に対して意見を交わすということ、戦うではなく「たたき合う」ということを、もっとやりたいです。現在は同じ宿題に対してのアウトプットに偏りがあると感じています。

そうですね。たしかにそうかも知れません。
この組織のいい点でもあり難しいところでもあるのが「人に重きを置いている」ことです。ゆえに「人」に依存する部分が大きいので、それぞれの馬力の違いや温度差がでてしまいます。アソシエイトであろうとアシスタントであろうと肩書問わず、すべてのメンバーが自分事としてプロジェクトに従事し、目的達成のためにしのぎ合うという雰囲気をより強くしていきたいと思います。

それぞれのアウトプットは、ほかの人とは異なります。だってみんなの得意技がそれぞれ違うわけですから。だから本当は、チームを成立させるためには、あうんの呼吸でお互いの役割をわかっていて、それを読み取ることができる基本的なスキルと素養をメンバーが事前に身につけておく必要がありますね。

みなさん、ありがとうございます。長い時間おつかれさまでした!!